即決クロージングが基本⁉ 一括査定サイトでのアポイント

2021年7月13日

不動産一括査定はアポイント次第⁉実力企業がアポにこだわる理由を公開

こちらの記事でも紹介したように、不動産一括査定サイトでは「まず会う」ことが何よりも重要である。会わなければ何も始まらず、短期的にも、中長期的にも営業の種蒔きをすることはできない。一方で、アポイントを取得したのはいいが、『査定だけのボランティアで終わってしまった…』という声も聞く。

では実際にアポイントを取得したら、どのように立ち振る舞い、実際に成果に繋げていくのかを今回の記事では紹介していく。

査定サイトだからこその対応

まず、一括査定サイトから獲得した査定依頼と、自社に直接お電話で査定依頼をしてきた場合とで状況は全く異なるのは当然である。一括査定サイトは複数企業にネット上で一括に査定依頼ができるという仕組みなので、相見積もりを取りたい・比較したい・高値を知りたいというニーズを持った方が多く、ほぼ100%の案件で「競争相手」が存在する。

一方、自社で直接集客できた査定依頼は、エンドユーザーの選択肢が絞られた(限られた)状態であることが多いため、かなりの確率でモノにできることが多い。
どちらも「査定依頼」という形での問い合わせだが、根本的に異なる点が「ライバルの数」である。誤解を恐れずに表現すれば、後者の場合は不動産会社の手の中でビジネスを進めることが可能だ。営業マンが極端に嫌われることが無ければ、不動産会社のペースで駒を進めることができる。(条件や権利関係が複雑・特殊な不動産もあるが、本旨とは異なるのでここでは論じない)

一括査定サイト経由の反響の場合、「競争相手」が存在するからこそ、それを前提とした対応が求められるのである。

ストーリーが大事

折角獲得できたアポイントでも、査定書を渡しただけでボランティア的に商談を終了したことのある営業マンも多いのではないだろうか。訪問をし、着座してからすぐに「価格」の話しを始めてしまい、査定の説明が終了した途端『じゃ、検討しておきます』と言われ、何も言えずに終了するパターンだ。この場合、エンドユーザーの頭の中にあるのは「〇〇不動産から〇〇〇万円」という数字だけである。

一括査定サイトから獲得したアポイントで、一番留意しなければいけない点が『価格の話こそ最後に』という点である。競争相手が存在する条件下だからこそ、『価格で比較させない』ように商談をすすめていく必要がある。

ある不動産会社の代表はこう言う。
『不動産仲介というサービスのクオリティに、看板の知名度や資金力は関係ない。それを理解させられない営業は一生預かれない』
『まずは3ヶ月間この会社に預けてみよう、と思わせる力を「営業力」というのです』と。

この会社は、東京を拠点に活動する会社である。代表以下3名の営業マンが月に100件以上の査定反響を対応している。この会社のモットーはズバリ「即決クロージング」だ。
アポイントを取得したら、徹底的に準備を行い「媒介契約を獲得」する流れを確認。反響情報を読み込み、氏名をネットで検索しSNSまで確認する。謄本の取得も欠かさず、査定書・販売計画書、周辺の売買事例、会社実績、契約書、スリッパを鞄に入れる。

当日は、価格の話しはほぼしない。身の上話しから徹底的に顧客ヒアリングを行い、有利に営業を進められるよう情報収集しながらトークを展開していく。
『査定依頼し会ってもくれた顧客はいつかは売る。そのいつかを今に引き寄せるんです。それは信頼と安心を感じて頂く事でしか作れない』
『1~2時間をどのように使うのか、ストーリーが何より重要です』

査定書を最後まで見せない営業スタイル

この会社の特徴に、「査定書を最後まで見せない」という点があげられる。当然鞄の中には査定書はもちろん、すべての営業資料が入っている。前述した通り、練度の低い営業マンほど査定書や書類を初めから出したがると代表は言う。

■完璧な事前準備

■安心を獲得するためのトーク展開
■価格の話しをするタイミング

『これらを徹底し、大切なアポイントを消化させるんですよ』

一括査定サイトを利用するエンドユーザーにはネガティブであまり語りたくない背景を持つ方々も多い。価格の話になると、どうしても表面的な会話に終始するという。だからこそ、お客様の安心感を大切にしつつ、ヒアリングを最重要視しているのだ。そして、この機を逃さないという営業スタイルで大切な不動産を預かるのである。

『エンドが他社の話しを行聞く前に、今日この日に決める』
営業スタイルは会社の考え方に左右され、一概に良し悪しを決められないが、この企業の業績は言うまでもなく順調だ。

まとめ

不動産一括査定サイト経由の商談では、リードタイムを長く持つことができない。必ず存在する競争相手に勝つためには、価格ではない部分で顧客の興味関心をつくり、目線を向けて頂く必要がある。

会社の考え方により、営業スタイルは様々あるが、成果を求められる営業職の一つの選択肢として、『即決クロージング』を用いてみても良さそうだ。

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