不動産広告で違反しないために知っておきたい表記ルールとは

2021年1月14日

取引金額が大きな不動産は、不動産広告に厳しいルールが課せられている。
知らずに不動産広告の規制に違反してしまうと、罰金に処せられ、最悪の場合は免許取り消し処分まで受けることになる。

不動産業界に関わっていくのであれば、不動産広告のルールを知っておくことが重要だ、

この記事では「不動産広告」の基礎知識について解説する。
不動産広告における規制の対象や、表示基準、特定用語の使用基準、不当表示の禁止等について紹介していきたい。

不動産広告と規制の関係

不動産広告を規制している主な法律は、「宅地建物取引業法」「景品表示法」の2つである。

宅地建物取引業法では、具体的には「広告開始時期の制限」「取引態様の明示義務」「誇大広告等の禁止」の3つしか定めていない。

宅地建物取引業法に違反すると、指示処分や業務停止処分を受けるほか、違反が特に重い場合には免許取り消し処分まで受けることになっている。
また、6ヶ月以下の懲役か100万円以下の罰金が併科されることもある。

実際に重要視すべき法律は「景品表示法(不当景品類および不当表示防止法)」の方だ。
景品表示法は不動産に限らず、あらゆるビジネスの広告を規制している法律である。

景品表示法は、一般的なビジネスにおいて消費者への誤認を防ぐために、大まかな方針を定めた法律に過ぎず、不動産業界に対して具体的なルールを定めているものではない。

そこで、不動産業界では景品表示法に違反しないように、「不動産の表示に関する公正競争規約(以下、「公正競争規約」と略)」という自主的ルールを定めている。
つまり公正競争規約を遵守していれば、必然的に景品表示法を守っているという仕組みだ。

公正競争規約では、不動産広告に関する具体的な細かいルールが規定されている。
不動産広告で違反しないようにするためには、実質的には公正競争規約の内容を知ることが重要だ。

公正競争規約に違反すると、不動産公正取引協議会からの調査が入り、警告と併せて50万円以下の違約金が課せられる。
さらに、警告に従わないときや再度表示規約に違反する場合には、500万円以下の違約金が課せられる。

規制の対象

不動産広告の規制は、あらゆるものが対象となっている。
公正競争規約では、以下の5類型が規制の対象として例示列挙している。

【規制の対象】

 
  • 物件自体による表示およびモデルルームその他これらに類似するものによる表示
  • チラシ、ビラ、パンフレット、説明書面その他これらに類似する物による広告表示
    (ダイレクトメール、ファクシミリ等によるものを含む。)および口頭による広告表示(電話によるものを含む。)
  • ポスター、看板(プラカードおよび建物又は電車、自動車等に記載されたものを含む。)、ネオン・サイン、アドバルーンその他これらに類似する物による広告および陳列物又は実演による表示
  • 新聞紙、雑誌その他の出版物、放送(有線電気通信設備又は拡声機による放送を含む。)、映写、演劇又は電光による広告
  • 情報処理の用に供する機器による広告表示(インターネット、パソコン通信等によるものを含む。)


チラシだけでなく、SUUMOやホームズ、アットホーム等の不動産ポータルサイトに掲載する
インターネット広告も規制の対象となっている点を留意しておきたい。

表示基準

公正競争規約では以下の13類型に関し、表示の基準を設置し、一般消費者が容易に理解できる表示を行うこととしている。

 
類型 表示方法
取引態様 売主、貸主、代理、媒介の別をこれらの用語を用いて表示する。専任媒介契約または専属専任媒介契約の場合に「媒介(専任)」または「媒介(専属専任)」と表示しても差し支えない。
物件の所在地 地番を表示しなければならない。
交通利便性 最寄り駅または停留所の名称および徒歩所要時間を明示する。
各種施設までの距離または所要時間 道路距離を表示するときは、起点および着点を明示して表示する。徒歩による所要時間は80mを1分間とし、1分未満の端数は切り上げて表示する。
物件の面積 土地または建物の面積はメートル法で表示する。
1㎡未満の数値は切り捨てで表示する。
私道負担面積 私道部分も取引の対象となっている場合は、敷地面積と私道面積を明確に分けて表示する。
部屋の広さ 居室の広さを畳数で表示する場合は、畳1枚あたり1.62㎡以上の広さがあるという意味で用いなければならない。
物件の形質 居室と認められない部屋は納戸(N)サービスルーム(S)と明示しなければならない。地目は登記地目を表示し、現況地目と異なるときは現況地目を併記しなければならない。
写真・絵図 写真は取引するものの写真を表示するのが原則である。未完成の建物を表示する場合、一定の要件を満たす完成予想図等であれば表示することができる。
設備・施設等 水道は公営水道または井戸等の別を表示しなければならない。ガスは都市ガスまたはLPガス等の別を表示しなければならない。
団地の外の生活関連施設 学校、病院等は原則として現に利用できるものを表示しなければならない。
価格・賃料 土地は1区画、建物は1戸あたりの価格を表示する。
賃料については1ヶ月あたりの賃料を表示する。
管理費・共益費・修繕積立金 管理費や共益費、修繕積立金については1戸あたりの月額を表示する。

特定用語の使用基準

不動産広告では特定用語に対し使用基準を設けている。

特定用語 使用基準
新築 建築後1年未満であって、かつ一度も居住の用に供されていないもの
ダイニング・キッチン(DK) 台所と食堂の機能が1室に併存している部屋
リビング・ダイニング・キッチン(LDK) 居間と台所、食堂の機能が1室に併存する部屋のこと

 

また、不動産広告では、表示内容の根拠を示す資料が実際にある場合を除き、以下のような特定用語の使用を禁止している。

 

使用が禁止されている用語 意味する用語
「完全」「完ぺき」「絶対」「万全」等 全く欠けるところがない、または全く手落ちがないことを意味する用語
「日本一」「日本初」「業界一」「超」「当社だけ」「他に類を見ない」「抜群」等 他の不動産会社の共有するもの、または他の不動産会社よりも優位に立つことを意味する用語
「特選」「厳選」等 一定の基準により選別されたことを意味する用語
「最高」「最高級」「極」「特級」等 物件の形質その他の内容、または価格その他の取引条件について最上級を意味する用語
「買得」「掘出」「土地値」「格安」「投売り」「破格」「特安」「激安」「バーゲンセール」「安値」等 物件の価格または賃料について著しく安いという印象を与える用語
「完売」等 著しく人気が高く、売れ行きがよいという印象を与える用語

不当表示の禁止

不当表示とは、実際のもの、または他の不動産会社にかかるものよりも優良だ」と一般消費者に誤認される恐れのある表示のことを指す。

不当な表示の例として、「おとり広告」があるが、おとり広告は知らない間に違反してしまう可能性があるため注意したい。おとり広告には、以下の3パターンがある。

  • 物件が存在せず、実際には取引することができない物件
  • 物件は存在するが、実際には取引の対象となりえない物件
  • 物件は存在するが、実際には取引の対象となりえない物件

 

よくある違反例としては、ポータルサイトに掲載している物件のうち、
「成約した物件の消し忘れ」が該当する。
成約済み物件は、「物件は存在するが、実際には取引の対象となりえない物件」のおとり広告とみなされるため、インターネット広告は常に更新作業を怠らないことが重要である。

まとめ

以上、不動産広告で違反しないためのルールについて解説してきた。

不動産広告は公正競争規約を遵守することが基本となっている。
規制の対象は、インターネットの物件広告やチラシ、ポスター、パンフレット等のあらゆる広告に及ぶ。

また不動産広告には、表示基準特定用語の使用基準不当表示の禁止といったルールがある。
知らない間に違反しないよう広告のルールはしっかりと守るようにしていただきたい。

 

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