不動産仕入れはきつい?未経験者が成果を出す営業ノウハウを解説

2021年2月3日

初めて不動産業界に入った方は、「営業成績をなかなか上げられなくてきつい」と思うことも多いのではないだろうか。

不動産営業で成績を上げるには、まずは「売り物件」や「安く購入できる物件」等の情報を仕入れることが重要となってくる。
不動産仕入れができれば、仲介や開発等の不動産ビジネスの起点が作られるため、会社の売上が上がり、自然と営業成績も伸びるようになる。

この記事では、不動産業界の未経験者向けに「不動産仕入れ」で成果を出す営業ノウハウについて解説する。
営業トークのコツや、ターゲットとアプローチ方法、構築しておくと便利なコネクションについても紹介していこう。

「売ってくれませんか」という営業

不動産仲介は少し特殊なビジネスであり、ある意味、「売るもの」がない
メーカーなどの営業であれば自社が作った商品を売れば良いので、「当社の商品を買ってくれませんか?」というわかりやすい営業が可能である。

一方で、不動産仲介は「仲介」というサービスを売ることになるが、いきなり「当社で仲介させてくれませんか?」と営業しても仕事が取れることはほとんどない。
仮に仲介というサービスを買ってもらうには、顧客に対して「不動産を売りませんか?」という営業文句でアプローチする必要があるのだ。

一般的な営業であれば「買いませんか?」というアプローチになるが、不動産仲介の営業では「売りませんか?」というアプローチになるため、仲介営業は通常の営業とは真逆のセールスを行うことになる。

売ってもらう営業というのは、買ってもらう営業より不自然であるし難易度も高い。
そのため、不動産の仕入れ営業は他業界の営業と比べると難しいといえる。

他業界から転職してきた人や新卒の人は特に最初、不動産業界特有の営業感覚が掴みにくいだろう。
不動産仕入れというのは、「買わせる営業」ではなく「売らせる営業」であるため、売主に”売る”と決断させることが不動産営業の仕事なのだ。

不動産仕入れはこう始める

この章では、不動産仕入れの営業を始める際に、やっておくべきことを解説する。

1.困りごとから入る

不動産仕入れにおいては、いきなり所有者に「不動産を売りませんか?」とアプローチしてもあまり意味がない。

最終的に自社を通して仲介してもらうためには、いざ売却するときに自社が真っ先に思い浮かぶ存在になっていることが重要だ。所有者と信頼関係を構築するには、まずは困りごとを解決して顧客の懐に入っていくことが基本となる。

不動産で何か困ったことが発生したときに、「あの人に相談すれば良い」というポジションになっておけば、売却時に相談される可能性が高まる。
所有者の物件だけでなく、「今度息子が家を買うから土地を探して欲しい」とか、「妹が土地を売りたいといっているので手伝って欲しい」といったような紹介も舞い込むのだ。

不動産仕入れの営業は直ぐに成果が出ないことが多いが、広く種を撒いておけば、そのうち芽が出るようになる。
直接的に売り物件の情報を仕入れる前に、普段から少しでも多くの不動産所有者の「困りごと」を解決することが、不動産仕入れそのものとなるのである。

2.ソリューションを提供できる人脈を作っておく

不動産所有者の困りごとを解決していくためには、解決策(ソリューション)を提供できる人脈作りが欠かせない。
困りごとは、自分または自社だけでは解決できないことが多いので、他社の人脈を持っておくことがポイントだ。

具体的には、ハウスメーカー税理士弁護士等のコネクションを持っておくと様々な不動産の困りごとに対応ができるようになる。
ハウスメーカーなら土地活用、税理士なら相続税や売却時の税金、弁護士なら離婚の財産分与や相続時の遺産分割等の問題が生じたときに紹介することができる。

また、税理士や弁護士とコネクションを持っておくと、逆に税理士や弁護士から仲介を手伝って欲しいとの依頼がくることもある。

税理士であれば、買換え特例によって節税を提案する際、具体的に売買を実行してくれる不動産会社が必要となってくる。
弁護士であれば、財産分与や遺産分割を実行するために不動産を売却してくれる不動産会社が必要だ。

このように社外の人脈構築は、自分の顧客の問題を解決してくれるだけでなく、案件を紹介してくれる可能性もある。
つまり、社外の人脈作りはそのまま不動産仕入れに直結する行為になるのだ。

近年は、異業種交流会に参加すると、弁護士や税理士の姿も見かけるようになった。
営業活動の一環として、常日頃から意識して人脈を作ることをおすすめする。

ターゲットとアプローチ方法

この章では、不動産仕入れ営業をする際の具体的なターゲットの選定とアプローチ方法について解説する。

1.駐車場なら有効活用

不動産仕入れのターゲットとして、まずは駐車場所有者が挙げられる。

駐車場は収益性の低い土地活用であるため、駐車場にしているということは、
土地活用で悩み中」というサインであると捉えて間違いない。
多くの場合、「良い土地活用が見つからない」、「土地活用するにしても資金がない、借入ができない」といった悩みを抱えている。

駐車場所有者には、駐車場よりも収益性の高い土地活用を提案すると刺さることがある。
例えば、定期借地事業の借主を見つけて提案すると応諾される可能性が高い。

定期借地事業であれば、土地所有者に建物投資が不要であり、かつ収益性も駐車場よりも高くなる。
定期借地事業を成約させれば、とりあえず借地の賃貸仲介も取れる。

定期借地事業は土地所有者に受け入れやすい提案であるため、定期借地で出店するような事業者とコネクションを構築しておくこともおすすめしたい。

2.空き家なら片付け

空き家所有者もターゲットになり得る。

空き家の所有者は、空き家を倉庫代わりとして利用しており、
「売却できない」または「活用できない」といった悩みを抱えている。
そこで、空き家所有者に対しては「片付けを一緒に手伝う」という困り事の解決方法がある。

空き家の片付けであれば、所有者と取るコミュニケーションの量も多いため、
信頼を自然と勝ち得やすい。
空き家が片付いたらすぐに売却ということも良くあるため、片付けは比較的不動産仕入れに直結しやすい営業手法だ。

片付けには大量の廃棄物が出てくるため、家庭ゴミを搬出できる一般廃棄物収集運搬業者とのコネクションを持っておくと良いだろう。

3.アパートなら入居者あっせん

アパート所有者も有望なターゲットといえる。
特に古いアパートの所有者は、空室の悩みを抱えているのだ。

古いアパート所有者に対しては、売却よりも空室を埋める提案の方が受け入れられやすい。
同時に1室からの管理も提案すれば、継続的なコネクションを形成することもできる。

古いアパート所有者の中には地主も多くいるため、コネクションを持っておくと他の物件の売却の相談がくることもある。
また、アパート所有者が今まで依頼していた管理会社よりも対応が良ければ、一棟丸ごと管理を委託されるチャンスもある。

賃貸物件の管理の受注は、管理手数料収入が入り、また空室が発生すれば賃貸仲介のチャンスも増え、そのうち売却の話もくる可能性があることから立派な不動産仕入れといえる。

いきなり売却物件の仕入れは難しいので、まずは提案を受け入れられやすいアパートの空室対策からチャレンジしてみることもおすすめしたい。

まとめ

以上、業界未経験者向けに不動産仕入れで成果を出す営業ノウハウについて解説してきた。

不動産仕入れは「買わせる営業」ではなく「売らせる営業」であるため、他業界の営業と比べると簡単ではない。
不動産仕入れ営業のコツとしては、不動産所有者の困りごとから入ることが鉄則だ。
困りごとをスムーズに解決させるにも、普段から他業界と人脈を作っておくことは強みとなる。

解決の具体例としては、

  • 「駐車場なら有効活用」
  • 「空き家なら片付け」
  • 「アパートなら入居者あっせん」等がある。

物件を外部から見た際、「このようなことに困っているはずだ」という勘を働かせて所有者にアプローチするのがいいだろう。

 

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