不動産仲介営業マンが最速で成果を出す考え方とノウハウを解説

2021年2月15日

初めて不動産業界で働く営業マンの中には、不動産営業になかなか慣れない人も多いのではないだろうか。

「家売るオンナ」というドラマがあったが、実際の不動産営業は家を売る営業ではなく「売る家を探す」仕事の方が重要となってくる。

不動産の仲介営業で成果を出すためには、「買わせる営業」ではなく「売らせる営業」に主軸を置くべきである。

この記事では、不動産業界の初心者向けに”仲介”における「不動産営業」について解説する。
仲介営業で売主対応が重要な理由や、仲介営業のコツについて紹介していく

仲介営業で重要なのは売主の発掘

冒頭で「家売るオンナ」という北川景子氏が主演していたドラマに触れた。

見ていない人も多いと思うので超簡単に説明すると、主人公の北川景子氏がどんな家でも売りさばくというコメディドラマである。
ドラマ自体は不動産業界の好感度を上げたともいわれており、私も楽しみながら視聴させてもらった。

しかしながら、実際の不動産営業では「売る能力」というのは会社からあまり評価されないことの方が多い。

会社にとっては「売り物件を売る」ことではなく、「売り物件を探してくる」ことが最も評価されるべき仕事となる。

不動産の仲介では、売主側に付く仲介(元付業者)と買主側に付く仲介(客付業者)の立場の2種類がある。
会社にとって重要なことは、いかにして元付業者になるかという点だ。

元付業者にさえなれば、自社で買主を見つけられなくても他社が買主を見つけてくれれば、売主からの仲介手数料は得られるからだ。

客付業者の場合、買主を見つけることができたとしても、元付業者に断られてしまえば売買を成約させることができない。
客付業者が売買に食い込めるかは元付業者の胸三寸で決まってしまうため、客付業者は仲介手数料を得られる確度が著しく低くなる。

また、元付業者になれば、両手仲介ができる確度も高まる。
両手仲介とは、元付業者が買主も決め、売主からも買主からも仲介手数料を得る仲介のことを指す。

客付業者の場合、元付業者が既に存在する訳であるから、客付業者である以上は両手仲介を行うことができない

客付業者は上手くいっても片手仲介(買主または売主からのみ仲介手数料を得ること)しかできないため、会社が得られる収益は少ないのだ。

そのため、不動産の仲介営業では元付業者になれる仕事を取ってくると営業成績が確実に上がる。元付業者になれば、少なくとも売主からの片手仲介はできるし、両手仲介の可能性も出てくるためだ。

不動産営業で成果を出すには「売ること」よりも「売り物件を探してくること」に注力すべきであり、買主対応よりも売主対応を意識することがポイントとなってくる。

不動産仲介営業ノウハウ

1.対象地域を絞る

効率よく元付業者になるには、まずは対象地域を絞っ営業していくことがコツである。
対象地域を広げ過ぎてしまうと、専門性が薄れてしまうため、顧客の心象が良くない。

その地域の学区や学校の評判にも詳しく、スーパーなどの生活利便施設の場所や評判といった地元情報に熟知しておくと売主からも買主からも信頼を得やすい。

また、営業範囲を狭くしておけば、顧客に呼ばれたときにすぐに対応することもできる。

顧客と顔を合わせる回数を増やした方が確実に信頼を得やすい
これはザイオンス効果と呼ばれる心理現象であり、1968年に米国の著名な社会心理学者により、証明されている。

物理的に近いというとはザイオンス効果も生み出しやすいため、営業店の近くの顧客を相手にすることは、遠くの客を相手にすることよりも有利なのである。

そのため、営業成績を上げるのであれば、まずは営業範囲を近くに絞り、地元に徹底的に精通することが第一歩となるのだ。

2.売買事例をよく研究する

売主の信頼を得るには、普段から近隣で取引された売買事例をよく研究しておくことが重要だ。

近年は、売主も不動産一括査定サイトなどを利用して複数の不動産会社から査定を取るケースが増えてきている。
複数の不動産会社で査定を比較された場合、専任媒介または専属専任媒介を取るためには、しっかり根拠をもって査定結果を説明し、売主の信頼を得ることがコツとなる。

競合他社が自社よりも高い金額を出しているのか安い金額を出しているのかはわからない。
だからこそ査定結果を提出する際は、売主にしっかりと根拠を説明しなければ、自社の価格の正当性を主張できなくなる。

相場に精通していれば、「これ以上なら高過ぎる」、または「これ以下なら安過ぎる」といった説明も加えることができるため、他社の査定価格をけん制することも可能だ。

売主は、地域の相場にきちんと精通している不動産会社に依頼することが良くあり、必ずしも高い査定価格を提示する不動産会社に依頼するとは限らない。

査定結果の説明は、売主の信頼を得るためのアピールの場なので、普段からしっかりと相場観を把握しておくことをおすすめする。

3.税金に関する基礎知識を身に着ける

不動産の売主からは特に税金に関する質問も多いので、売却に関する税金の基礎知識は身につけておいた方が良い。

税金については、誤った情報を伝えるとトラブルになるため、不動産会社の立場としては基本的には断定的な回答は避けるべきである。

しかしながら、全て「わかりません」、「お答えできません」という対応では一向に売主の信頼を得られないことも事実だ。売却に関する税金は難しく、営業担当者としては触れたくない部分であるが、逆にある程度答えられるようになると武器になり、売主の信頼も得やすくなる。

制度の概要についてある程度説明できるようにし、「違うケースもあるので最終的には税理士にご相談ください。税理士も紹介できます。」と回答できるようにしておけば適切だろう。

4.顧客の要望をしっかりと聞く

売主の信頼を得るには、顧客の要望をしっかりと聞くことが重要である。
複数の不動産会社が査定で競合した場合、売主は査定額ではなく「一番話をしっかり聞いてくれた営業担当者を選ぶケースは多い。

売主対応といっても、こちらが上手くしゃべる必要はなく、むしろ顧客に十分に話をさせることがコツだ。

営業担当者が一方的に話をするよりも、相手の話を聞くことの方が大切であることはどの営業でも基本である。

査定の段階まで行けたら過度に売り込む必要はない。
顧客の要望をどれだけ満たすことができるかによって、
専任媒介または専属専任媒介の契約を得られるかが決まると言っても過言ではない。

5.マンション売買から実績を作る

元付業者になるのであれば、マンション売買から実績を作ることをおすすめする。

マンションは査定も簡単であるし、査定額も他社と大きく差が開くことがあまりない
また、例えば市街化調整区域の物件のように法的に難しい案件も少ない

さらに、マンションなら木造の戸建てと比べて瑕疵が存在する可能性も低いため、仲介責任が発生するリスクも低いといえる。

そのため、初めて元付業者として仲介を行うのであれば、マンションから慣れていくことが適切だ。

営業店の近くにあるマンションであれば、「売り物件求む」のチラシを集中的に撒くことで売主からの問合せを獲得することができる。

マンションの売主のから問合せがきたら、積極的に業務に参加して少しずつ売主対応を学んでいくのが良いだろう。

まとめ

以上、不動産業界の初心者向けに不動産の”仲介”営業について解説してきた。

不動産仲介は元付業者になると安定するため、売主を発掘することが何よりも重要である。
売主の信頼を得るには、「税金に関する基礎知識を身に着ける」、「顧客の要望をしっかりと聞く」等が営業のコツとなる。

不動産仲介というビジネスモデルをしっかりと理解し、売主対応を上達させることで営業成績を上げていただければ幸いである。

 

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